万作と草田男−「楽天」の絆展

今日から1ヶ月半、愛媛県久万高原町久万美術館において、草田男と万作《楽天の絆》展が開催される。この久万美術館は来年の秋、萱原里砂さんと笹岡啓子さんと私の3人で写真展を行う予定の美術館で、今年春から3ヶ月に一度のペースで通っている。松山から車で1時間弱、標高500mを越え、夏は避暑地、冬はスキーを楽しめる場所として知られている。今年は、松山出身の中村草田男伊丹万作の展覧会である。

草田男、万作の生前の資料、二人と深く関係をもつ伊藤大輔や重松鶴之助を巡って会場は構成されているが、その中に2点、現代の目から制作された作品がある。狩野志歩さん稲川方人さんの映像作品である。私は、稲川さんの助監督をしながら、この夏、猛暑の松山を歩き、撮影のお手伝いをしていた。松山は戦災にあっているので町はすっかり変わっているけれど、縁の土地を歩きながら、沢山の方々と話をしながら、濃い5日間。助監督の仕事について何も学んでいない私は、言われたこと以外になにをすれば良いのか右往左往していたことは確か。先日、諏訪敦彦さんに学んでいた映画監督の友人に会い、「助監督ってなんだろうか?」と聞いたら、諏訪さんの助監督の仕事ぶりの話をしてくれて、納得。もっと早く聞いていたら、私もっと有能な助監督になれたのにな。エンドロールに私の名前がありますが、とても恐縮でした。

愛媛、東京からは遠くてなかなか行く機会のないところですが、お近くの方は是非お越し下さい。



万作と草田男−「楽天」の絆展
10月4日〜11月24日
久万美術館

大正・昭和初期に旧制松山中学時代に深い友情で結ばれた「楽天」仲間、伊丹万作中村草田男に焦点を当てた展覧会。万作は、映画監督であり若い頃は挿絵画家としても活躍。草田男は、俳句結社「万緑(萬緑)」を主宰した俳人です。同展では、万作・草田男をイメージし、製作された短編映画、回覧雑誌「朱鸞(しゅらん)」、万作の挿絵や映画に関する資料、草田男の書や句集、万作や草田男に宛てた書簡や葉書など、総数約90点が公開されます。