高校生

働いていないから、日常の忙しさに波があり、忙しさから抜けた日常にはコントロールが出来なくなることが少なくない。すると都心をオロオロと歩きだしてしまう。昨日の朝までアメリカの写真家と北海道のエカシが我が家に泊まっていた。言語と世代差に翻弄される時間。二人をそれぞれ送り出し、自分はラボへ出掛ける。気がかりだっかことが一気になくなる。そのあとの予定がないから、青山一丁目から渋谷までの道を歩く。嶋田洋書で働いている同級生と立ち話をし、その後、母校に立寄った。


美術科の先生と高校三年次の先生が出迎えてくれる。話の流れで陶芸部の指導をすることになるが、私たちのアジトだった陶芸部の部室はない。美術室の中で手ろくろを使って制作をしている。12年ぶりに土を触る。弓やなめしなどの道具を見る。それだけで、あのときに帰れる気がした。
私たちが合宿で行っていた桧佐陶工房には、今年から行っていないと聞く。電動ろくろも、部活活動時間短縮のため時間を用意してあげられないらしい。私が学生だった頃は、朝7時頃から部室に行ってろくろを廻し、運動着をどろんこにしていた。贅沢な時間だった。

陶芸部で一緒に泥遊びをしていた、なっちゃん(千葉奈津絵さん・旧姓)が、お菓子レシピ&エッセイ集"ももの木 なしの木 りんごの木"を出したという朗報も届く。去年、私の展覧会のオープニングにもお菓子を作ってくれていました。大切な友人です。

高校を卒業して12年、当時の校舎は半分も残っていない。職員室も私と同じか私よりも若い先生が大半を占めていて、今いる先生は、当時新任だった先生ばかり。時間が過ぎたことを改めて感じる。久しぶりに山田先生に会いに行ってみようかとも思っている。