吉田さんの訃報

東京自由大学の吉田美穂子さんが17日に亡くなった。60歳という若さだった。20日お通夜、21日告別式。私は生前、「久高オデッセイ」と山尾三省さんのイベントでお世話になっていたので、大重監督と両日ともに出席をした。


死因は乳がん。一年程前から乳房にしこりがあるため乳がんだとわかったものの、病院には一切行かず、よって注射や薬による治療は一切しなかったという。家族以外には病気のことを一切知らせず、今日までいた。10月末に行われた山尾三省のイベントも、吉田さんが中心的に企画を進めていたし、誰もが疑いを持たずにいたので、本当に突然の訃報だった。


亡くなる前日、自分の死期を察した吉田さんは、子ども3人を集め、今年度担当していたマンションの管理費を整理、残された家族が困らないように丹念に伝えたという。その整理が2時間程で済んだところで救急車を呼んだが、病院に着いた深夜1時頃には意識不明。17日12時に息を引き取った。

飛ぶ鳥 跡を濁さず

全て、きれいに成し遂げた吉田さんの死はとても清らかに感じた。生前、とても親しかった訳ではない。しかし、遠くから接していても彼女の誠実さ、勤勉さは充分に感じることが出来ていたし、尊敬をしていた。今回の吉田さんの死からは、なにか多くのことを伝えられている気がする。



お通夜の日、帰り際に自由大学の方々と食事をしお店を出ると、吉田さんが眠っている築地本願寺の真上に満月が上がっていた。まるで、吉田さんを照らしているかのように。かぐや姫のお迎えのような月の姿。その景色を拝みながら、鎌田先生のホラ貝が鳴り響いた。おとぎ話のような美しい夜でした。




一日一日を精一杯生きる姿、彼女から請け負ったことを大事にしていきたい。本当にたくさんをありがとうございました。これからも、どうぞよろしくお願い致します。

ご冥福をお祈り致します。