ジェームス中川さん写真展

5月末という期限で予想通りの最悪な展開になった沖縄。こんなにも国民が反対しているのに、子ども・孫の世代にはつなげたくないという戦争・人権問題を、どうして政治家は残す結論を出すのだろうか。ロシアに近い北海道・中国に近い沖縄のことをヤマトに住む私たちはもっともっと真剣に日本のこととして考えなければいけないのではないでしょうか。大阪の橋本知事が関空をと手を挙げたように、新羽田空港石原都知事も手を挙げるべきではないか。鳩山政権の支持率が下がったなら、日米合意も撤回するべきではないか。私たちの声はどこへ消えていくのだろうか。


東川写真国際フェスティバルにて国内新人賞を受賞したジェームス中川さんの展覧会が始まりました。沖縄三部作「崖/BANTA」「ガマ」「リメインズ」のひとつ、「リメインズ」の展覧会です。沖縄・サイパンテニアン島で撮影された写真46点。アメリカ国籍と日本国籍を持っているジェームスさん、「日本/沖縄/アメリカ」の問題を真っ当からぶつかり問題提起をしています。是非、足をお運び下さい。


オサム ジェームス 中川写真展
リメインズ -残-2001-2009
2010年6月1日〜30日 11:00 〜 19:00 (最終日は14:00まで)
冬青社


リメインズは写真と言葉(日本語と英語)で作られた詩のような作品です。これらの映像は沖縄、サイパン戦に置き去りにされた記憶が、いかに今なお、我々に語り続けているかを如実に物語っています。両言語で刻まれた言葉は、戦没記念碑を思いうかばせるだけでなくイメージと言葉の日米間に存在する文化的な認識の狭間をナビゲートする私自身の試みをも意味していると云っていいでしょう。リメインズは、個々の文化的に存在する独立したシグニファイャーに異文化間のレンズを通す事で、アメリカ、沖縄、日本本土が持つ、歴史上の出来事に対する異なる解釈を、少しでも近づける行為の一つとなる事を願います。

オサム・ジェームス・中川