舞台が終って

一ヶ月ぶりにお茶の稽古に行く。炉から風炉に変わっていて、長袖を着ているとじわじわと汗ばんでくる。季節は晩春から初夏へ移り変わっている。


舞台が終って日々が過ぎるが、その余韻をいまもまだ身体の中で感じている。機材返却やお金の精算、部屋の片付け、写真の整理、歩きながらしごとうたを鼻歌で歌ったり、伊藤さんからメールがきたり。今日はお茶の帰り道、大泉学園で母を待っていると、向こうから仕事帰りのようちゃんが歩いてきた。お互い驚いて、「こんにちは。またがやがやで会おうね。」と言葉を交わす。ようちゃんの笑顔からこぼれる透明な声。些細な会話だけど、今回の舞台を通して各々の気持ちや一人一人の関係など何かが変わったのは確かで、その何かを言葉にしたいと考えている。とても充実しているやさしい余韻なのだ。


あのやさしさを、と思うばかりでなかなかそこに辿り着けなくて、今日もまた一日が終る。