シディガフ(報告とお礼)

監督と須藤さんと3人で久高入り。今年3月に出来上がった「久高オデッセイ 生章」の報告を久高の神へご報告をしたいという思いをカミンチュ(神人)に伝えると、9月マーミキ(お米の祭り)の日に行いましょうとおっしゃってくださった。

朝8時から1時間程度でマーミキは終わる。去年は7人で行われた儀礼を、今年は4人で行っている。フボー御嶽へのお祈りはウメーギ一人。人数の多い時の神行事は映像でしか見たことがないから、空気を以前と比べることは出来ないけれど、厳粛で静かな祈りだ。マーミキ後、神人は一度自宅へ帰り着替えをし、我々のシディガフのために再度集まってくれた。お供え物については、洋子さんに手伝って頂いた。赤いまんじゅう9つ、みかんを5つ、お酒2合ビンを2本、お賽銭。外間ノロ家→久高ノロ家→外間殿→イチャリグワァ→久高殿→大里家と廻り、各場所の香炉へお香を立て、「久高オデッセイ」が出来上がったことの報告とお礼、今後の祈りを捧げた。神人、一人一人の真剣なお祈りにただただ驚き、祈りの重さを肌身で感じた。1時間程度かと思っていたが、2時間半続いた。
お香は神へ捧げるもの、線香は先祖へ捧げるものだと初めて知る。
イチャリグワ、大里家の庭に井戸があり、海へ、畑へとそれぞれが繋がっているとのこと。3年前、ソールイガナシイがいなくなってから久高ではスクが捕れない。漁へ行く前にイチャリグワァで祈りをすることを忘れているからだと神人はいう。神は我々の行動を全て見ているようだ。


深い時間を過ごした。本当は撮影を始める前にするべきことだった。「これからこの島で撮影させて頂きます。よろしくお願いします」と。今回学んだことの事の大きさを胸に、今後の行動について考えていきたい。