たまたまがやがや

一週間雨が降り、長袖が登場した。八王子ではすすきが一面に広がる。久しぶりにお茶に行くと今日の茶花は菊。色んな所で秋と「こんにちは」をする。学校では4年生の審査会が始まり、学生の集大成が形になり始めてきた。月日の早さを感じざるを得ない日々。


この2日間で身体がほかほかしている。大尋さんのライブで知り合った、がやがやのみなさんに出会う。今回は振付家の山田珠実さんを中心にワークショップが行われた。

1日目は珠実さん.希里さん.美和子さん.綾ちゃん.あさみさん.はがママさん.はがよしゆきさん.祥子さん.彩子さん.貞之さん.わたしで2時間身体を動かしていた。初めは足の観察。足の指にも3つ目の関節があることを知る。足の観察をして、腰の場所を知ると歩き方や座り方が変わる。今まではわかっている気がしていたが自分の身体のことなんて何も知らなかった。  新聞紙を使ってごろごろ。赤ん坊がビニールのざわざわした音で心が落ち着くように、身体の回りに新聞紙を巻いてがさがさした音を聞いていると心が落ち着いた。  私の背中に1枚ずつ新聞紙が重なる。だんだん身体が温かくなり、私は、人間ではなくあまり動くことのない動物や虫になった気分だった。外から見ると[きのこ]みたいだと聞こえていたが自分で自分の姿はみることができず、そのことも気持ちよく感じていた。自分は得体の知らない物体である。   目を閉じて見えない物を感じる。ダイアログ.イン.ザ.ダークのような不思議な体験をする。ひとつのアクションと自分とのぶつかり合いを感じる。出来事一つ一つを自分のなかで味わっていた。

2日目は、がやがやのみなさんと一緒に動く。[まるまるまる]という詩からはじまり、[カポーレ]を振り付け踊る。ごろごろしながら、こういちさんと一緒に自己紹介をした。谷川さんのお誕生日をお祝いして、たくさんお菓子を食べて、新聞紙のキャッチボールをし、ともちゃんと新聞紙を背中に挟んで運ぶ。新聞屋さんと名乗る小林さんはいつの間にか新聞お化けに化けていた。わっしょいわっしょい、寝ている祥子さんの周りで風間さん祭り。「いつでも誰かが」でハッシーさんと手をつないで踊る。こういちさんの踊りはサービス精神たっぷりでかっこいい。


モチーフは新聞紙と変わらず、場所も変わらなかったが、2日間の体験は全く違った。がやがやのみなさんとお話するのは初めてでどきどきしていたが、コミュニケーションをするために、耳と口を近づけたり、手をつないだり、背中を合わせたり、普段は言葉で済んでしまうことをぽかぽかしながら対話していた。大尋さんとがやがやのライブの中に混じたいという夢が叶い、予想通り楽しい時間を過ごすことができた。山田珠実さんのかけ声は気持ち良く、風のようにその場所を取り巻く仕草や声、表情に始終どきっとさせられていた。